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サメが、ひれを使って歩く。
それだけでも気になるのに、ふ化したばかりの赤ちゃんは、お腹がぽこんと丸い。大きくなって細くなったら、動き方も変わるのかな?
2022年の研究は、歩くサメの一種について、ふ化直後と少し育った段階の水中での動きを比較しました。体形は違っても、調べた速度やひれ・尾などの動きは同じように保たれていたと報告しています。
見た目が違うから、動きもきっと違う。そう予想して、実際に測って確かめた話なんだね。
比べたのは、同じ種類の「ふ化直後」と「幼いサメ」
対象はエパウレットシャークと呼ばれるサメ。世界共通の名前である学名は、Hemiscyllium ocellatumです。オーストラリアのグレートバリアリーフ周辺にすみ、体を曲げ、左右のひれを使って移動します。
フロリダ・アトランティック大学などの研究チームは、ふ化直後の個体と、少し育った幼い段階の個体を比べました。
ふ化直後のお腹には、卵の中から受け継いだ栄養である卵黄が残っています。そのため、お腹がふくらんでいる。一方、成長した段階では自分で餌を探すようになり、体が細くなります。
同じ種類でも、栄養の取り方と体形が変わるんだね。その違いが、水中で進む動きにも影響するかを調べています。
13はサメの数ではなく、動きを追う体の目印
研究では、水中のゆっくりした歩き、速い歩き、泳ぎという三つの動き方を調べています。ひれや体などにある13か所の目印をもとに、速度、ひれの回転、体の曲がり、尾の振り方などを比べました。
13匹を調べた、という意味の13ではありません。体のどこを追って動きを測ったか、という数です。
結果は、ふ化直後と幼い段階で、調べた動きの特徴が保たれていた、というもの。お腹が丸いから、この比較では必ず動きにくいはず、と見た目だけで決めることはできなかったんです。
ここで調べたのは水中での動きです。この結果を、そのまま陸上で歩く速さの比較や、すべての種類のサメへ広げないでおこう。
出典は研究チームの大学による解説と、ジェームズクック大学が公開する論文の要旨です。要旨は、論文の内容を短くまとめた部分。今回の比較の方法と結果を確認できます。
図鑑を見るときも、「形からの予想」を一つ残そう
サメの体を眺めるなら、どこが違うかを見つけるだけでも楽しいね。その先に「この形だと、どう動く?」という問いを一つ足してみよう。
サメの多様な姿や生態に親しむ本として、菅原嘉子さんの文、ウエタケヨーコさんの絵、仲谷一宏さん監修の『ヤバかわ!ユルすご!!まるごとサメ事典』も候補です。出版社の紹介では、小学3~6年生向けのイラスト図鑑として案内されています。
この本は2020年刊。今回の2022年の研究結果を掲載している、という紹介ではありません。
図鑑で予想し、研究では何を測ったかを見る。お腹が丸い一匹を見つけたら、すぐ「遅そう」で終わらず、どう動くかも気になるね!