ニシオンデンザメは本当に400歳?目のレンズで推定した年齢の幅と2026年ゲノム研究を親子で読み解く、サメ図鑑から始める調べ学習

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「このサメ、400歳なんだって!」と知ったら、次に気になるのはここじゃない?
どうやって数えたの。まさか、生まれたときから見守っていた人がいるの……?

答えを先に言うと、ニシオンデンザメの目のレンズに残る炭素を調べ、体の長さなどの条件も組み合わせて年齢を推定したんです。2016年の研究で、最大の個体は392±120歳という結果でした。

四百年近い時間を生きた可能性がある。わあ、海の時間の長さっ!!
ただし「誕生日が分かっていて、ちょうど400歳」ではありません。この幅まで読んでみると、数字の迫力に加えて、研究者が何を手がかりにしたのかも見えてきます。

ここでは、その年齢をどう読むか、目のどの部分を調べたか、2026年に発表されたゲノム研究で何が進んだかを順にたどります。図鑑から興味が広がった親子にも読めるよう、難しい言葉は使うところでほどいていきますね。

目次

392±120歳。「±」の後ろも一緒に連れて帰ろう

まず、研究で調べた相手をはっきりさせましょう。ニシオンデンザメは、英語ではグリーンランドシャーク、学名はSomniosus microcephalus。北大西洋や北極海にすむ大型のサメです。「長生きするサメ」という話を、サメ全種類に広げると相手が変わってしまいます。

2016年に科学誌Scienceへ発表された研究は、体長81〜502センチのメス28個体を対象にしています。そのうち最大の502センチの個体で、392±120歳という推定が示されました。5メートルを超える体と、数百年という時間。どちらも、まず一度立ち止まりたくなる数字です。

「じゃあ、392歳って言えばいい?」
短く伝えるなら「392歳と推定された個体がいる」。さらに大事な幅を添えると、もっと研究の意味に近づきます。

論文で使われた年齢の表し方は、95・4%の確率範囲の中点に、その範囲の半分を「±」で付けたもの。392から120を引くと272、足すと512なので、この個体について示された範囲は272〜512歳になります。

両端を見て「最大512歳が確定!」と受け取りたくなるけれど、そこは違うんだ。512は、この推定範囲の端の数値。別に512歳の個体を見つけ、出生記録で確かめたわけではありません。392という中点も、1年単位で確定した年齢ではないんです。

目にした表現 この研究に沿って読むなら
400歳のサメ 400歳近い年齢が推定された個体の話
最大個体は392±120歳 推定の幅も含む結果。誕生日の記録ではない
512歳まで生きると証明 範囲の上端だけを確定記録に置き換えない
サメはみんな長生き 今回の種・標本の結果を全種へ広げない

子どもに説明するなら、まず「長く生きたと考えられるサメがいる。何歳かには幅があるんだよ」で十分。細かい統計用語から始めなくても、驚きと、分かっている範囲の両方を渡せます。

種類の名前や姿を漫画から知りたい場合は、『ゆるゆるサメ図鑑』が入口の候補になります。学研の無料公開にはニシオンデンザメの回もあります。まず同じサメを見つけ、年齢の数字は研究資料と見比べる、という使い方ができますよ。

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年齢の数値と確率範囲は2016年論文の要旨で確認できます。

目のレンズが手がかり?生まれる前に作られた中心部分を調べた

年齢調べと聞くと、木の年輪みたいに線を一本ずつ数える方法を思い浮かべるかもしれません。ところが、この研究でニシオンデンザメに使ったのは、その方法ではありませんでした。

着目したのは、目の水晶体というレンズの中心です。論文では、この中心のごく内側には、生まれる前の発育中に作られ、代謝による入れ替わりがほとんどないタンパク質があると説明しています。年齢が分からない動物に対して、その古い材料を調べるわけです。

ここ、面白いところ!
大きく育った体の中に、ごく早い時期の材料が残っている。それを、過去を探る手がかりにするんです。目全体が生まれてから一切変わらない、という話ではなく、研究で選んだ中心部分の性質がポイントです。

その材料に含まれる放射性炭素、炭素14の量を調べました。材料がいつごろ作られたかを探るため、その炭素の量を、年代が分かる資料と照らし合わせていきます。目に年数が刻まれているのを読むのではなく、材料の中の手がかりから時期を考えるんです。

さらに研究では、1950年代以降の核実験に由来する放射性炭素の増加にも注目しています。その影響が北大西洋の海の食物網に現れる時期を、古いか新しいかを見分ける時刻の目印として使ったのです。論文では、1960年代初めを重要な区切りとして扱っています。

小さい個体の一部には、この増加の影響が見られました。一方、多くの大きい個体は、その目印が現れる前のものと考えられました。ただ「増加が見えないから、すぐ400歳」と決めたのではなく、そこからさらに推定を進めています。

古い海の炭素の量は、年ごとの差が小さい時期もある。場所による違いもある。だから測った数字をそのまま誕生年に変換するだけでは、幅が大きくなります。研究では、炭素の年代を読み替えるための資料に加え、成長や生まれたときの大きさなどの条件を組み合わせたモデルを使いました。

つまり、実際に測った材料があり、年齢を考えるための条件もある。その二つから結果を出しています。「全部想像」でも、「年齢が書かれた札を発見」でもない。材料からどこまで言えるかを絞る、その過程が研究なんですね。

親子で図鑑を読むときも、まず絵で体の場所を思い浮かべてから、調べたのは「目のレンズの中心」と指で示すつもりで話すと、対象を追いやすくなります。『ゆるゆるサメ図鑑』の無料漫画を入口にしても、漫画のせりふを測定方法の証拠にはせず、この部分は論文の説明と組み合わせてください。

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水晶体の中心、放射性炭素、推定モデルの説明は、オックスフォード大学の論文保存ページにある受理原稿の本文で読めます。

大きければ何歳でも分かる?28個体の結果から読む成長の遅さ

体長が5メートルなら400歳。4メートルなら320歳。
つい、比例の式を作りたくならない?でも、今回の結果をそのまま定規にして、別のサメの年齢を出すことはできません。

研究では、大きさと年齢に正の関係があるという前提も使っていますが、成長を単純な一直線として扱ったわけではありません。最大の個体の数字を体長で割り、別の個体に掛ける読み方は、論文で行われた推定とは別の計算になります。

隣の大きさの個体も見てみましょう。493センチの個体は335±75歳、502センチの個体は392±120歳と推定されています。体長の差は9センチ。中点の差は57年ですが、どちらにも広い年齢の範囲があります。9センチ伸びるのに必ず57年かかる、とは読めないんです。

この二つを並べるだけでも、「体長」「中点」「幅」を別の欄で見る意味が出てきます。小さい数字の差から成長速度を決めず、研究が示した一組の結果として読む。そのほうが、長寿という大きな発見を変な計算で細くしてしまわずに済みます。

性成熟についても、長い時間が推定されました。論文の要旨には少なくとも156±22歳という推定が示されています。ただし、これは全個体の初出産を見届けた記録ではありません。メスが性成熟する体長に関する情報と、年齢の推定を結び付けた結果です。

ここで、数百年という寿命の話が、暮らし方や保全の話にもつながってきます。長く生き、繁殖するまでの時間も長いなら、短い期間で失われた個体がすぐ次の世代に置き換わる、と簡単には考えられません。原論文は混獲などにも触れ、保全には慎重な対応が必要だと述べています。

長寿の順位だけで終わらせず、その長い時間を海の中でどう生きる動物なのかへ目を向けたいところ。なお、2016年の原稿に出る保全区分を、今の最新区分としてここで案内することはしません。現在の評価を調べるなら、その評価年もセットで読む必要があります。

家で話すなら、紙に「何を調べた」「何が分かった」「次に気になる」を三つだけ書いてみて。今回なら「目の中心の炭素」「数百年の長寿が推定された」「子どもを残すまでの時間も長い?」。これは説明用のメモ案で、本に付属する教材ではありません。

サメの種類を知る図鑑を横に置くときも、年齢順の順位表を急いで完成させなくて大丈夫。『ゆるゆるサメ図鑑』で気になった種類を見つけたら、その名前について一つ調べる。今回のニシオンデンザメなら、長生きと成長を続けて考える入口になります。

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2026年のゲノム研究は、年齢を数え直した話ではない

「新しい研究が出たなら、400歳がもっと正確になった?」
そう期待したくなるけれど、2026年5月に東京大学などが発表した研究は、別の問いへ進んだものでした。高精度のゲノム情報を整え、極端な長寿に関係する可能性のある遺伝的な特徴を調べています。

ゲノムは、その生物が持つDNAの塩基配列の情報。大学の発表によると、日本・カナダ・ノルウェーの共同研究チームと協力し、皮膚の一部を採取して、染色体レベルの情報を整備しました。2016年の目のレンズの測定と、材料も研究の目的も同じではありません。

大学が紹介している特徴の一つは、リンカーヒストンというタンパク質です。DNAと結び付き、そのまとまりの構造を作ったり安定させたりすることに関わります。このタンパク質に、ニシオンデンザメに特徴的な変化が見つかったとしています。

もう一つは、フェリチンに関係するFTH1bという遺伝子のコピー数の増加。フェリチンは鉄を貯蔵する働きに関わるタンパク質です。大学は、こうした特徴が、長期にわたる体の維持や長寿を支える可能性を説明しています。

名前が急に難しくなったね。全部覚えなくていいですよ。
ここで持ち帰りたいのは、体を長い間保つ仕組みの候補を、DNAの情報から探っているということです。「長く生きているらしい」から「どうやって長い時間を生きるのだろう」へ、問いが一歩進んでいます。

ただし、「この遺伝子だけで400年生きることが証明された」とまでは言えません。特徴を見つけたこと、その特徴が長寿に関わる可能性、その働きの全体像が解明されたことは、それぞれ違います。大学の発表も、可能性や今後への期待という形で説明しています。

この研究を、サメ由来の商品を使えば人も長生きできる、という販売の根拠にすることもできません。ここで紹介しているのは生き物の研究と、その入口になる図鑑です。健康食品の効果を確かめた研究ではないからね。

図鑑は気になる生き物を見つける場所として使い、その後の研究は発表した機関の説明へ。『ゆるゆるサメ図鑑』を買えば2026年の研究内容まで載っている、という意味ではありません。刊行物と新しい発表をつなげて読むと、同じサメに戻ってくる楽しみ方ができます。

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研究の内容と論文情報は東京大学の2026年5月20日付の発表に基づいています。

最初は無料の一話から。「何歳?」の次に聞きたいことを見つけよう

論文までいきなり読もうとすると、英語と数字で止まってしまうこともあります。それなら、最初の入口を小さくしてみよう。学研の「週刊ゆるゆる図鑑」には、『ゆるゆるサメ図鑑』のニシオンデンザメの無料公開回があります。

公開された漫画では、姿の大きさや動きのゆっくりした印象を、キャラクターのやり取りで描いています。これは漫画として楽しめますが、描かれた表情が本物のサメの気持ちだ、という意味ではありません。絵を楽しむ時間と、年齢の測定方法を調べる時間を両方持てばいいんです。

本の監修はアクアワールド茨城県大洗水族館、漫画は和音さん。出版社の商品紹介では、サメだけでなく、古代のサメやエイ、ギンザメといった仲間も扱う構成が示されています。目当ての一種類から入って、別の姿にも興味が移ったら、そこを次に開く使い方ができます。

買うか迷うなら、まず公開分で、一つの話を読み終えたところまで試してみてください。「このサメは何が変わっていた?」と一問を置き、絵へ戻って探せるかを見る方法もあります。漫画の雰囲気が合えば、出版社の紹介や目次へ進む。最初から一冊全部を読めるか試すより、次の一話も開きたいかを見てみよう。

購入する場合は、書名『ゆるゆるサメ図鑑』とISBN9784052051586を照合します。同じシリーズの別の巻やセットではなく、この一冊かを確かめてから、価格、送料、商品の状態を販売画面で確認してください。最新版の研究が全部入った専門書を求めるなら、この本だけで済ませようとしなくて大丈夫です。

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出版社の商品紹介と学研の無料公開回も、先に見られます。

最初の「400歳って、本当?」に戻ると、数百年の長寿を示す推定が研究で出ています。ただ、392歳という数字には幅があり、その先には測定方法も、成長のモデルもある。

数字の後ろに、こんな調べ方が隠れていたんだね。
次にこのサメを見かけたら、「長生きなんだよ」で終わらず、「どうやって分かったと思う?」と、もう一歩だけ話を広げてみて。目の小さな中心から、海の何百年もの時間へ。そこまでつながるのが、このサメの面白いところです!

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この記事を書いた人

サメの種類や生態、サメにまつわる話題を、海の世界と一緒に紹介します。

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